キテキ

はづき真理のブログ

2024年1月に読んだもの

今年は読んだものの感想まではむりでも時系列にリストにはまとめておこうと思っています。

1月6日
和田靜香『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』左右社2023年9月 2023年のやりたいことリストに、「市議会に興味を持つ」ってあげたんですよね。「興味を持つ」。超ざっくり。そして結局、特に興味を持ってなにかしたわけではない。しかし地方自治を知ることは民主主義の実践なのだと深く頷くことになりました。今年もひきつづき興味を持つことを「やりたいこと」とし、そこからなにか行動に繋げてみよう。


1月10日
ベンジャミン・アリーレ・サエンス(川副智子訳)『アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』小学館2023年8月 思ったよりいろんなことが起こりました。アリの一人称ですが、どのエピソードもアリを愛おしむように描写されている気がします。みずみずしい、ということばが陳腐に思えるほどに息づいている少年の日々がぎゅっと胸に迫る。これが本国(アメリカ)では2012年に出版されているということで、ヤングアダルト文学が豊潤だなと思います。日本は若年層というか10代からの読者に向けたフィクションにおける男性同性愛表象を“エロ”コンテンツとして氾濫させてしまった面があると、BL(ボーイズラブ)読者として忸怩たるものがあるので……


1月12日
高島鈴「そこに在る体」

川野芽生「腐りゆくオフィーリア、きわめて巨きな」

これらが収録されているnote上のアンソロジー『FFEEN』は2024年春に紙書籍として刊行予定とのことで、詳報を待ちたい。


1月16日
山内尚『よるべない花たちよ~for four sisters~』上下巻秋田書店2023年1月(電子単行本配信開始日) 山内尚作品は、いまはどうしようもなくこういうかたちで存在している世界のなかで、ぎこちない振る舞いしかできない(と感じてる)登場人物を慰撫する強さに満ちている。たくさんの読者に届くべき作品だと思う。下巻収録の短編「門はひらく」、とてもいい。


1月30日
『穏やかな死者たち シャーリィ・ジャクスン・トリビュート』東京創元社2023年10月 読み終えてから目次をあらためて眺めると、うーん、さまざまな「シャーリィ・ジャクスンみ」があったなあという感慨が…… エリザベス・ハンド(市田泉訳)「所有者直販物件」とケリー・リンク中村融訳)「スキンダーのヴェール」が好きです。